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Approachアプローチ

なぜ「問い」の明確化から始めるのか ── 本当の問題を見つけ出す

1. なぜ課題を見誤るのか

多くの組織では、売上向上、人材不足、DX推進などの課題に直面した際、まず解決策や施策の検討から始めます。しかし、その前提となる「本当に解くべき問題は何か?」が十分に整理されないまま進むケースも、少なくありません。結果として、会議を重ね、施策を次々と実行しているにもかかわらず、本質的な成果につながらない状況が生まれます。

その背景には、過去の成功体験、業界の常識、組織内の前提条件などが無意識に影響していることがあります。本来は問い直すべき前提を固定したまま議論を進めるため、「本当に解くべき問題」そのものを誤認してしまうのです。

重要なのは、答えを急ぐことよりも現状を観察し、何が起きているのかを丁寧に捉え直すことです。課題解決の成否は、解決策の質以前に、問題設定の質に大きく左右されるため、「何が問題なのか」を再定義するところから始める必要があります。

2. 問いの設計

確実な成果は、優れた問いから生まれます。同じ事象を見ても「どのような問いを立てるか」によって、導き出される結論は大きく変わります。

例えば、「どうすれば売上を増やせるか」という問いと、「顧客はなぜ私たちを選ぶのか」という問いでは、見えてくる景色も打ち手も違ってくることでしょう。いわば、問いは単なる質問ではなく、組織の思考の方向性を決定する設計図なのです。

そこでコンサルティングにおいては、事実の観察から始め、仮説を生み出し、検証可能な問いへと昇華する過程が重要となります。肝腎なのは、最初から正解を求めることではなく、意思決定に必要な情報を引き出せる問いを設計することです。

問いの質が高まると、議論は感覚論や属人的な意見交換ではなく、再現性ある意思決定へと進化します。組織が複雑な環境に対応するには、答えを持つこと以上に、適切な問いを設計できることの方が重要となります。

3. 「本当の問題」発見

問題発見とは、観察によって得られた事象を整理し、その背後にある構造を見つけ出す活動です。多くの場合、現場で起こる課題は表面的な症状に過ぎず、その原因は別の場所・別の時間に存在します。

売上低下、人材流出、生産性低下などの現象を個別に見るのではなく、それらを生み出している構造全体を理解することが重要です。まずは現状把握を行い、つづけて事実の整理、論点の抽出、構造化を通じて、事象同士の関係を可視化していきます。

問題が構造として理解できるようになると、どこに介入すれば最も大きな効果が得られるのかが見えてきます。つまり、モグラ叩き的な対症療法ではない、根本原因へのアプローチが可能となるのです。

4. 思考OSの共有

経営判断の質は、個々の知識量だけで決まるものではありません。同じ情報を受け取っても、人によって解釈や判断が異なるのは、その背後にある思考の枠組みが異なるためです。

この判断の枠組みを「思考OS」と呼び、これは、私たちの日頃無意識に行う観察・解釈・判断などを、意識の裏側で支えてくれています。

優れた経営者には、それぞれ独自の思考OSがあります。しかし多くの場合、それは暗黙知としてその人の中にだけ存在し、組織全体に共有されることはありません。結果として判断基準は属人化し、組織としての再現性は失われます。

そこで、経営者の思考プロセスを言語化・構造化し、組織に実装可能な形に整えることが必要となります。思考OSの共有により、組織全体の判断精度が向上し、自律的な意思決定が可能となります。

5. 組織の意思決定能力

コンサルタントの役割は、答えを提供することではありません。答えを出せる状態を組織の中に創ることです。

コンサルティングの世界では、専門家が分析し、解決策を提示するスタイルが一般的です。しかし、その解決策が外部の専門家に依存している限り、組織は継続的な成長を実現できません。

重要なのは、問いを立て、問題を発見し、意思決定し、行動できる能力を組織内部に育てることです。その能力が定着して初めて、組織の自律的な成長が可能になります。

つまり、コンサルタントの提供価値は、伴走者として、経営者や組織と共に考え、対話し、構造化を支援することにあります。目指すべくは、一時的な問題解決ではなく、変化し続ける環境の中でも自ら考え続けられる組織です。コンサルタントにとっての支援のゴールは、(自身との依存関係を作ることではなく)組織全体の自立した意思決定能力の獲得にあります。

ご参考:問題発見から自立する組織に至るプロセス

  1. 問題の再定義

    観察を通じて前提を問い直し、「本当に解くべき問題」を見極めます

  2. 問い設計

    「どのような問いを立てるか」によって、導き出される結論を方向づけます

  3. 本質発見

    事象の背後にある構造を可視化し、根本原因へのアプローチを導きます

  4. 思考OSの共有

    経営者の思考プロセスを言語化・構造化し、組織に実装可能な形へ整えます

  5. 自立する組織へ

    問いを立て、判断し、行動できる力を組織内部に育て、自立した意思決定を実現します

自身の思考OSを組織に実装する

ここまでのプロセスを組織に根づかせるには、経営者個人の思考OSを言語化することが起点になります。その実現を支えるのが、外部脳であるEKOS(エコス)です。EKOSは経営者個人と組織の両方に機能し、組織全体として自律的な意思決定ができる環境をつくります。